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―寧京総統府
総統府秘書処処長
「・・・学生ら群衆が、燕平にて戒厳解除と動員堪乱臨時条項廃止を求める抗議活動を行っており、その数は百万人を越えています。目下のところ戒厳部隊との衝突には至っておりませんが、収束の兆しが見えません。」
項敬業 国民党中央政治局委員・民国副総統
「現地部隊は一体何をしとるんだ。火事は最初の五分間が勝負だというだろう、柱に火が回ってからではどうでもならん。」
廬曜行 国民党中央政治局員・民国行政院院長
「しかし、封建君主でもあるまいし、そう易々と鎮圧すればいいというものでもありますまい。下手に手を出すと、火に油を注ぐことにもなりかねない。況や既に反攻復国も実現した今日において、戒厳だの動員堪乱だのというのに疑問を抱く学生たちの心情は、わからんでもない。ここは、憲政の根本精神に立ち返り、広く人民に民意を問うのも妨げるべきではないのでは・・・。」
項敬業 国民党中央政治局委員・民国副総統
「院長、今の一言は聞き捨てなりませんな。それではまるで、大陸光復後選出された第二次国民大会が、民意を代表していないようではないですか。聞けば、燕平の鄭主席と院長は、ご昵懇の間柄だそうで。燕平の学生どもは『打倒党国王朝』と気勢を上げているのに、鄭主席はこれに兵を並べてただ傍観するのみですが、院長として、鄭主席の心はどこにあるとお考えでしょう。学生たちが民意を代表しているので、いくら喚こうが彼らに反対するものは人民の敵だと?」
廬曜行 国民党中央政治局委員・行政院長
「いや、決してそういう意味ではないが、軽挙妄動は厳に戒めるべきであり、徒に民を虐げて後世に悪名を曝すようなことがあっては・・・」
潘良 国民党中央政治局書記・国民大会中央民意代表
「おや、副総統は鄭主席の考えをお尋ねしたのに、まるで院長、あなたのお考えのようですな。さらに、党国に敵対する叛乱分子鎮圧を、民を虐げるとは何ですか。どうやら、廬同志は宰相になっても、まだ位が不足のようで・・・まあ、廬同志のいわれるところの『民意』を尊重すれば、第三次国民大会総統候補に、あなたの名が上がるかもしれませんな、廬先生。」
廬曜行 国民党中央政治局委員・行政院長
「潘良、君ぃ、」
袁維安 国民党中央委員会総裁・民国総統
「同志諸君、もうよい。とにかく、本件は党国の命運を左右する一大事である。ここは、靖国の意見も聞くとしよう。」
袁靖国 国民党中央政治局委員・行政院国防部長
「院長の言も有理ではありますが、叛乱分子の主張を際限なく受け容れていくと、総裁と神州全国軍民が心血注いで成った自由神州が、根本から覆されることに成りかねません。また、鄭主席の心がどこにあろうが、我々には百万の中央軍が在ります。百万の学生など恐れるに足りません。」
袁維安 国民党中央委員会総裁・民国総統
「(深く頷く) 本件は、国防部に一任することとし、これを以って閣議の決定とする。」
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